波佐見ニュースウォッチスタートです。第一回目は溝口明さんのご紹介。

2016.03.01 Tuesday

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    波佐見で何が求められているのか、
    現実を目にしないまま空論を語ってもしょうがないので、
    ただの呟きに過ぎない波佐見事業計画は2月で終わりにします。
    3月からは、報じられる波佐見のニュースや町役場からのお知らせをピックアップして、
    私なりに部外者目線から解説してみたいと思います。

    追いかける視点は、人間にあります。
    どんなトピックスも、誰かが起こしたものです。
    ヒトを起点にすると、一つのニュースも何となく背景が見えてくる。
    そう、youtubeにも公開されている波佐見町PRムービー「波佐見町は永遠の輝き」のようなものです。

    第一回のニュースピックアップは、溝口明さんにスポットライトを当ててみます。

    2月に文化庁に対して「日本遺産」の認定を目指すして、
    波佐見と有田など長崎県佐賀県の自治体連合にて、”肥前窯業”の取り組みが申請されました。
    その読売新聞報道記事にて、溝口明さんにインタビューがなされています。
    http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20160224-OYTNT50145.html

    『この地域にしかない技術を多くの人に知ってもらうきっかけになれば』と
    記事で語られている溝口さんはどんな方なのか、波佐見焼振興会のホームページにご紹介されています。
    http://the-place-hasami.com/kikairokuro.html

    19歳で機械ろくろの道に入り、40年以上に渡り生地屋一筋のキャリアを歩んでこられたとのことです。
    職人気質の色濃い溝口さんはこうおっしゃっています。
    『ものによって、土も形もいっちょいっちょ違う。常に初心者でおらんといかん』
    その気構えこそが、時代を超えて、多くの企業の多くの作り手さんから
    信頼を寄せられ続ける巧みたる所以なのでしょう。

    400年ほど前から脈々と続いている焼き物の材料である自然物に触れ続け、
    日々変化する生活者のニーズを汲んだ波佐見焼メーカーの間に立ち続けられることは、
    大きな供給量の変化した経済環境を含めても、並大抵のことではないはずです。

    しかし、多くの困難にあっても溝口明さんが、
    日々の灯火にされているモチベーションはここにあるようです。

    『好きとかじゃなく、ひとりで気ままに仕事ができるから楽(笑)』

    自分がやりたい仕事をトコトンまで追求できる環境を持てるということは、
    なんと幸せな仕事のあり方でしょうか。
    おっしゃる通り、好きとか嫌いとか以前に、気ままに仕事できる状態は、
    ブラック企業が横行する社会環境では非常に稀有な例とも言えます。
    しかし、社会がどうあろうとも、そこに流されることなく目の前の仕事に真摯に取り組む姿勢こそ、
    波佐見焼が長い間、庶民の食卓を豊かにし続けている生地屋さんの面目躍如なのではないでしょうか。

    溝口さんが従事されている機械ロクロの仕事は、上記波佐見焼振興会のウェブサイトにも触れられているように、
    真面目に取り組めば2,3年で物になるそうですが、後継者不足は否めないようで、
    長崎県窯業技術センターでもどうやって技術継承していくか研究がなされています。
    http://www.pref.nagasaki.jp/yogyo/report_kenkyu/pdf/h26/Report_H26_06.pdf
    長年の職人さんの蓄積を分析して作られた機械の力を活用し、
    新たな世代の作品が若い創り手さんの手によって再び勢いを取り戻すには何が必要なのか、
    素人の私には分かりません。

    ただ間違いなく言えることは、
    出来上がった茶碗を喜んで使ってくれる人の顔が見えない限り、
    多くの人々に愛される食器は作り得ないだろうということです。

    まだまだ溝口明さんの眼光鋭いうちに、日本遺産として”肥前窯業とその創り手''が認められて、
    多くの人々の関心を集めることを願ってやみません。

    この写真は、溝口さんがお住まいの湯無田郷地区を護る熊野神社鳥居です。
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