波佐見焼の歴史(江戸時代ヨーロッパに至るまで地域にまで広がったその伝播力)

2014.12.15 Monday

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    波佐見の方には百も承知でしょうが、波佐見日記を名乗っておきながら、
    波佐見焼について一通りご紹介しないわけにはいきません。
    波佐見の地域ブランド研究をまとめられた長崎新聞社刊「波佐見の挑戦
    (編著:長崎県立大学産学連携チーム)からご紹介したいと思います。
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    波佐見焼は江戸時代に大阪と京都を結ぶ川船が、食べ物を売るために使ったといわれる
    「くらわんか碗」で知られ、陶磁器が庶民に広まるきっかけとなったといわれている。

    草花文などの絵付けを施し大量生産された庶民の代表的な食器である。
    また、オランダやインドネシアに輸出された酒のボトルとして使われた
    「コンプラ瓶」も波佐見焼を代表する磁器である。
     
    この波佐見焼の産地は、全国的に知名度の高い有田焼・伊万里焼産地(佐賀県)の
    県境越しにある長崎県波佐見町にあり、昔ながらの伝統と陶磁器に今求められている
    機能性を追求しながら、県の産地ブランド指定を受けている。

    隣接する有田焼の華やかな絵付けとは対照的に、
    波佐見焼は、一言でいうならシンプルで実用的である。
    波佐見焼は白磁や青磁にあい色、淡色の絵付けを施したシンプルさを基本としていて、

    「くらわんか碗」と呼ばれてきたように庶民の食器として一般家庭に流通している。
    ただ波佐見焼としての知名度は低く、家庭に波佐見焼の食器を探せばあるものの
    それを知らずに使っている消費者は多いのが現状であり、この知名度の低さが、
    今波佐見焼の抱える大きな課題のひとつである。
    また、2001年のピーク時に200億円あった売上高は安価な海外製品に押され3分の1に縮小している。
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    以上、2011年 「波佐見ブランド構築の要件と課題」 
    長崎県立大学経済学部 山口夕紀子氏著より引用。
    コンプラ瓶
    写真は、上記文中で紹介されているコンプラ瓶です。
     
    コンプラ瓶は、オランダ商人の貿易物資である酒や醤油を運ぶ容器として、
    ヨーロッパに向けて運ばれていたそうです。
    また船乗りに重宝されその経路である東南アジアでも流通していたそうです。
    江戸の大阪といえば天下の台所と呼ばれるほど商品集積がなされていた場所です。

    このため、波佐見焼は江戸時代末期には日本各地、ヨーロッパまで、
    その器がどこで作られているのかを別にして、多くの人の手に渡っていたわけです。

    別の機会に紹介しますが、この波佐見焼を作っていた窯は、
    非常に大きな装置であり、現代の大型工場の原型と言っても過言ではありません。
    だからこそ21世紀の現代にキャノンの工場があるのもある意味当然なのでしょうか。

    現在の波佐見焼は先般紹介したマルヒロさんのように、
    ブランド力を高め、その独創性を発揮した製品も多数開発されています。
    波佐見焼には、すでに300年間のグローバル商品としての素地があることを知って欲しいと、
    多くの方にご存知のことかもしれませんが、改めてその歴史をご紹介したのでした。
     
    工場で大量生産する器になくて、人の手が介在するからこそ得られるものは、
    その情感であると、長年陶器の販売に従事された深澤さんがおっしゃっていました。

    全世界で消費レベルが上がってくると、食卓もただ食べるだけではなく、
    少しでも食べ物が美味しく味わえるような工夫をする必要性が生まれてきます。
    世界中にはまだまだ波佐見焼を届ける余地がきっとある。

    全くの部外者である私が断言するのもおこがましい限りですが、
    やっぱり、日本人の感性として、ただ華美な食器ではなくて、
    趣がある器で、厳選された食材を戴きたいものですよね。
    日本食が海外に拡がっている現状に、必ず波佐見焼の需要も生まれると思えませんか?

    JUGEMテーマ:食器
    コメント
    マルヒデでなくマルヒロです。訂正をお願い。
    深澤さん

    失礼しました。マルヒデは山田兄さんでした。。
    • by 城後
    • 2014/12/15 11:44 AM
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