ニッポンの原風景。鬼木の棚田

2014.12.10 Wednesday

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    私が波佐見で最も幸せな気分になれる場所は、鬼木の棚田が見下ろせるこの展望台です。

    私は、福岡県八女市で育ちましたが、母親の実家が山間の八女郡黒木町だったので、
    幼い頃からしょっちゅう山に祖父の農業手伝いをしていました。
    鬼木の棚田の風景とは異なるのですが、
    農の営みを感じるこの水田の風景こそ、私の心を朗らかにさせてくれます。

    米価は下がり、後継者もどんどんいなくなり、お米作りも大変で、
    この田圃を維持するために、補助金が使われざるを得ないとのお話しを聞いて、
    ただノスタルジーに浸るだけでは、原風景は守られないと感慨深くもなってしまいます。

    ただ、この景色を見れば、田園風景に馴染んでいない
    日本人以外の外国人の方であっても、きっと何かしらの感動を味わえるはずです。
    人間は、そもそも動物であるので、自然と共存共栄しているこの風景には、
    解説なしに伝わってくるものを持っています。

    ある時、一瀬町長さんから、お歳暮を贈ったお礼に、棚田で取れたお米と、
    近隣の農家さんが作られた梅干し、漬物などの盛り合わせギフトを戴きました。

    一度棚田の風景を目の当たりにしている私には、
    このお米を食べるだけで、頭にその景色が浮かんでくるわけです。
    ハンバーガーなどの大量生産された食品には得られない
    お金に変えられない日々の幸せな食卓のひと時は、波佐見に足を運んだ人だけに味わえる贅沢なのです。

    きっと日本中に素敵な棚田は沢山あるのでしょう。
    けれども鬼木の棚田は、こんな見通しのよい場所で、
    全面パノラマの景色を楽しめるし、車で簡単に出向ける場所にあることが、
    部外の観光者にも満足度を高められるとっておきの波佐見のポイントだと、私は感じています。

    私は、写真のような瑞々しい緑の夏にも、たっぷりとお米を蓄えた秋にもこの場所に立ちました。
    季節が移り変わる自然の様子を見ていると、
    日々いろんなことで悩みを抱えていた自分のことも吹っ飛んでしまいます。

    人間関係のストレスに悩んで、
    どうしようもなくて生きる希望を失くしてしまった友達がいたら、
    絶対にこの棚田を見せに連れてこようと私は密かに誓っています。

    私は普段全く食べ物が作られる営みを直視しない東京の都市部に住んでいます。
    だから、そんな日々が続いてしまうと、食べ物は買うもの、
    買うためには稼ぐこと。稼ぐには身を粉にして働くこと。
    そんな循環が起きてしまいがちです。

    けれども、稀にこんな自然を目の前にすると、
    多くの人に生かされて自分が日々を送れているんだと、実感できるのです。
    誰にも説明されずとも、ただその農作物が出来ている姿を直視していくだけで。

    秋にはこの鬼木では、案山子のデコレーション大会が行われます。
    私はまだ出向いたことがないので、来年には出掛けてみて、
    1人の案山子に扮装してみようかと企んでいます♪
     
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